H30経済法(第2問)

先生の講義の参考答案においては、川上市場についてのみ検討していますが、⑴川上市場を検討する際に、川下市場(供:OTA 需:客)の間接ネットワーク効果を用いて、川上市場のみを検討する方法⑵川上市場(新規参入の排除)・川下市場(価格維持効果)双方について検討する方法(=2つの市場の強制競争阻害性を検討する方法)のいずれが良いのでしょうか。先生の回答は⑴のような気がしています。ご回答のほどよろしくお願いいたします。川下市場については影響はないという理解でよいでしょうか
2020年5月13日
法律系資格 - 司法試験
回答希望講師:中山涼太
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
中山涼太の回答

私の参考答案は仰るとおり(1)です。
A社の案の影響は当然川下にも及びますが、行為は川上市場に向けられたものであり、川下への影響はあくまで間接的なものにすぎず、メインは川上だと考えます。書くことがほぼ同じになってしまうので、答案戦略的には(2)はお勧めしません。
なお、川下に関しては、宿泊プランの値決めを行うのがotaではなく宿泊施設なので、otaによる競争停止的な自由競争減殺とは捉えにくいという難点もあると考えます。

2020年5月14日


匿名さん
大山農協の事案の市場については川上市場(供:直売所・需:生産者)川下市場(供:直売所・需:消費者)の市場があり、大山農協の行為が川上市場において、他の競争者を排除することをもって独禁法に反するという理解でよいでしょうか。その際に、川下市場についても、価格維持効果が生じるため、独禁法違反について検討すべきでしょうか。こちらもH30第2問の司法試験と同様にプラットホーム市場なのですが、川下市場について検討すべきか悩んでいます。

2020年5月15日


匿名さん
追加で質問してしまい申し訳ありません。先生の先ほどの回答において『川下に関しては、宿泊プランの値決めを行うのがotaではなく宿泊施設』とありますが、そのように考えると川下市場(供:OTA 需:客)の供給者とのずれが生じるのですが、個々の部分についてはどのように理解すればよいでしょうか。よろしくお願いいたします。

2020年5月15日

質問①
大山農業=大分大山町農業協同組合に対する平成21年12月10日の排除措置命令の事案を指しているという前提で回答します。少なくとも私の見解では川下の検討は不要です。理由は30年2問と同じです。あなたの場合は、まず、排除される事業者が含まれている市場のみを検討してみる癖を付けた方が良いと思います。その他の市場は、メインの市場と独立して公正競争阻害性を検討するのではなくメインの市場の検討材料にすれば足りると考えます。
質問②
値決めをするのは川上の供給者でも、その予約サービスを提供するのはあくまで川下の供給者なので、ずれは生じないと考えます。
小売店が卸売価格のまま消費者に商品を売るときも、川下の供給者が卸売業者ということにならないのと同じです。難しく考えないで下さい。

2020年5月15日


匿名さん
⑴質問①において「あなたの場合は、まず、排除される事業者が含まれている市場のみを検討してみる癖を付けた方が良いと思います。」と以前回答していただいていますが、H30の場合の排除される事業者というのは、OTA・ホテルのいずれでしょうか。⑵基本的な質問で申し訳ないのですが、先生のおっしゃる川上市場での競争というのは、OTA間の競争でよいでしょうか。⑶質問②において以前の回答で「値決めをするのは川上の供給者でも、その予約サービスを提供するのはあくまで川下の供給者なので、ずれは生じないと考えます。」とありますが、川上の供給者はホテルという理解でしょうか。

2020年7月5日

質問1→OTAです。
質問2→そうです。
質問3→そうです。なお、これについては、語弊があると行けないので説明しますが、川上と呼ばれる取引段階には、①ホテルを供給者としOTAを需要者とする宿泊プラン提供サービス市場と、②需要者供給者をひっくり返したOTAサービス市場の2つの市場があります。今回、特に言及しませんでしたが、「川上市場」という場合に該当するのは、厳密には①のみです。

2020年7月7日