両罰規定の使い方について

平成30年・令和元年の司法試験憲法では、法律案ないし条例案に両罰規定が挙げられています。
与えられた条文はできる限り答案に用いた方がよいと考えていますが、憲法の答案を書く際に、両罰規定があることはどのように用いることができるのかが分かりません。
伊藤先生ならどのように用いますでしょうか。
2020年4月30日
法律系資格 - 司法試験
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご質問ありがとうございます。
「与えられた条文はできる限り答案に用いたほうがいい」とは思いますが、すべての事実を答案で活用する必要はないでしょう。
考え方がわかれるところですが、ある憲法上保障された行為が法律上禁止されているのであれば、サンクションが罰則が刑罰であろうが、行政処分であろうが、憲法上の権利に対する制約は同様に解するのが通常でしょう。
そもそも法的に禁止することそれ自体が問題なのであり、罰則がどうかというのは二の次の話でしょう。
間接罰方式の場合は、委縮効果を抑制するという法的評価は可能ですが、両罰規定の場合は、そのような憲法上の権利に対する制約を強めたり、弱めたりする要素があるとは言い難いように思います(強いてあげれば手段相当性でしょうか)。
したがって、問題文の関係ない事情を拾おうとするよりも、それ以外の事実関係で勝負をするべきであろうと思います。

2020年4月30日