①と②はいずれも訴訟物の消滅事由に当たると思います。
おそらく、前訴で争われた法律行為自体に付着する瑕疵かどうかという区別ではないでしょうか。
その上で、①と②を別物だと感じる原因は、上田徹一郎先生の実体関係的手続保障説っぽいところにあるのではないでしょうか。
この見解は、基準前の事由の遮断を判断する上で、手続保障の充足について、個々の当事者の主観に着目するのではなく、当事者の実体法上認められた法的地位がその事由につき前訴基準時前に主張・立証を尽くしておかなければならなかったような地位であるかという客観的な基準により判断するものです。
この見解によると、取消権については、実体法上の地位との関係で、当事者は前訴で主張・立証を尽くすべき地位にあったといえ、遮断されるが、
解除権については、原告たる債権者の場合であれば、本来の履行請求や解除権行使・損害賠償請求かの選択権があるわけなので、前訴で解除権を行使しなければならないという実体法上の地位にないこととなり、遮断されないこととなります。
なお、②について、遮断されないのであれば、期待可能性の検討は不要ではないでしょうか。
既判力については、上田徹一郎先生の、民事訴訟法(法学書院)がお勧めですので、是非読んでみてください。
2015年12月11日