平成20年 経済法について

過去問講義を受講している者です。第1問の設問1の代替案について中山先生はどのようなものを考えていますでしょうか。本番で思い浮かばなかったから③案を妥当するということも可能でしょうか。また第1問の設問2については、私的独占で考えたのですが、そのような構成も可能でしょうか。また解答レジュメは、不当な取引制限で考えていますが、これは排除型なのでしょうか。
2020年4月15日
選択科目 - 経済法
回答希望講師:中山涼太
回答:1

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中山涼太の回答

設問1について
 本文の特徴は,発券(売上)と運行(燃料費・人件費等のコスト)とが分断されていることにあります。本来的な単独運行を想定すると,会社が運行コストに充てられる売上は,発券数=乗車人数です。そうだとすれば,共同運行の場合も,各社の便の乗車人数に応じて利益を分配すれば良いと考えます。なお,③案は,売上をプールする段階で相互の発券料を推知できてしまうため,不当な取引制限に該当する可能性があると考えます。
設問2について
 共同の排除型私的独占として検討することも可能と考えます。出題趣旨にも,不当な取引制限・私的独占・共同取引拒絶(一般指定1項)・取引妨害(一般指定15項(現14項))が検討し得ると記載されています。本問は,趣旨・実感に鑑みると,特定の1つの条文を検討するのではなく,検討し得る条文全てについて要件検討をすることが求められているとも読めます。
 なお,不当な取引制限では,私的独占のような「排除型」といったカテゴライズは通常しないと思います。

2020年4月16日