市場検討

小売業者A.B.Cが共同で、メーカーD.E.Fに安売り小売業者Gとの取引の拒絶を要請し、この要請を受けたD. Eは共同して、Fは単独でGとの取引を拒絶した場合、問題となる市場は、ABCGDEF間の川上市場なのか、ABCGとエンドユーザーの川下市場において自由競争減殺効果が生じるのでしょうか。私が考えていたのは、川上市場でGが廃除され競争排除効果があり、川下市場で売り手市場が強くなり、価格維持効果が生じ、競争回避効果があると思いました。
2020年4月13日
選択科目 - 経済法
回答希望講師:中山涼太
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
中山涼太の回答

川上市場とは供給者をDEF,需要者をABCGとする製品販売市場であるという理解を前提に回答します。
この場合,行為要件は共同取引拒絶(法2条9項1号ロ)になると思われます。行為が直接影響を与える市場は,川上市場であり,検討対象市場は川上市場です。
そして,検討すべき自由競争減殺効果は,”検討対象市場における自由競争減殺効果”であるため,「川上市場における競争者Gの排除効果(他にとり得る競争手段が容易に見いだせないこと)」となります。川下市場の競争減殺効果は副次的なものに過ぎません。
なお,要請を受けたDEFが要請に従いさえすれば,各事業者がそれをどのように履行するかは関係ありません。

2020年4月13日


匿名さん
お世話になっております。司法試験H22第1問において、川下市場について検討しています。H22の第1問においても単独の取引拒絶・拘束条件付取引に該当するので、前回質問した事案と類似しているため、川下市場について検討するか悩みました。H22第1問の出題趣旨においても川上市場・川下市場について検討するよう要請されていたため、川下市場を検討するか否かのメルクマールが未だにつかめていない状況です。ご回答のほどよろしくお願いいたします。

2020年4月17日

一般論としてどの市場を検討すべきか、ということであれば、先の回答の通りになります。
試験で複数の市場について書くか書かないかの判断は、①設問で聞かれているかどうかと、②問題文に検討材料となる事情があるかどうかで判断します。これは他の科目と同じです。
設問が明確に検討を指示し、あるいは検討対象から除外している場合は分かりやすいですが、そうでない場合は②から書くかどうかを判断します。
22年1問は、設問自体が網羅的検討を求めていて、かつ、事情も沢山書かれているので、①②のどちらの観点から見ても書くことが求められていると考えてよいでしょう。

2020年4月17日