1つ目のコメントについて
①設問が検討を求めている行為がどの市場を対象としているかを第一にお考え下さい。
②B社がC社・D社とも取引をしていたら、各社担当者の情報伝達によりA社向け乙価格がB社に伝わり、間接的な意思連絡がなされる可能性はゼロではないでしょう。しかし、この問題でそこを検討するのは明らかに深読みしすぎです。問題文には、A社とB社が競っているという以上に両者の意思連絡関係の事情は全く書かれていないのですから、そこを想像で補完して書くのはやめた方が良いです。
2つ目のコメントについて
川下について検討不要かどうかは競争インセンティブの有無のみで決まるわけではありません。基本的な考え方は上記の通りです。設問で求められていなければ書く必要はないですし、問題文に使える事情がないなら書いてはいけません。
私はTKC模試の内容を見てはいないので、仰られるように、模試の問題と平成28年度の問題が比較対象として適切か否かは判断できません。申し訳ありません。
なお、一般論ですが、原料の価格高騰により川上市場での商品価格が上がり、それに伴って川下市場の商品の価格が上がるというのはよくある話です。そのこと自体は各事業者の契約自由の原則に委ねられるものなので、川下市場に価格を転嫁する=競争回避とはなりません。
2020年3月16日