平成28年経済法第1問について

過去問速習講義において、市場をA社の製造する新しい甲向けの乙としていますが、私は、それを川上市場として、さらに川下市場のA社の製造する新しい甲の製造販売市場も検討したのですが、誤りでしょうか。乙の価格が価格維持されることで、乙を主要部品としている甲の価格まで回避されるのではないかと思いました。
ご教示のほどよろしくお願いいたします。
未設定さん
2020年3月15日
選択科目 - 経済法
回答希望講師:中山涼太
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
中山涼太の回答

この問題で川下市場を検討するのは誤りだと考えます。川下の価格の競争停止か問題になるのは、AとBとの間に意思連絡や値上げのインセンティブがある場合です。B社もC社・D社から供給を受けているなら、あるいはA社の価格情報が伝達されて競争停止の間接的な意思連絡が認められることもあり得ますが、本問ではB社とC・D社には接点がないので、それはないでしょう。また、B社はA社としのぎを削り合っているわけですから、価格を維持する競争停止のインセンティブも皆無だと思います。

2020年3月16日


未設定さん
ご回答いただきありがとうございます。①川下市場も検討する一般的なメルクマールをご教示いただいてもよろしいでしょうか。そこを理解すれば無駄な市場検討をしなくて済むのでよろしくお願いいたします。②仮にBもC・Dから供給を受けている場合に、A社とB社で価格競争回避行動は生じ得ないのでしょうか。価格維持する競走停止のインセンティブがあるように思えたのですが…。「B社はA社としのぎを削り合っているわけですから、価格を維持する競争停止のインセンティブも皆無だと思います。」との関係性で気になりました。お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

2020年3月16日


未設定さん
①川上市場の需要者であり、川下市場の供給者が競争回避のインセンティブがない場合には、川下市場について検討不要という理解で良いでしょうか。
今年のTKC模試にて、川上市場の需要者で川下市場の供給者が川上市場の供給者に対してMFN条項をつけたという問題だったのですが、川上市場と川下市場双方について検討するべきと記載されてあったので、h28との差異としては競争回避のインセンティブの有無で決まるのかと思いました。②インセンティブがなくても乙の価格が回避されることで!その上乗せ部分が転嫁され、甲の販売市場においても競争回避効果が生じると思ったのですが、いかがでしょうか。

2020年3月16日

1つ目のコメントについて
①設問が検討を求めている行為がどの市場を対象としているかを第一にお考え下さい。
②B社がC社・D社とも取引をしていたら、各社担当者の情報伝達によりA社向け乙価格がB社に伝わり、間接的な意思連絡がなされる可能性はゼロではないでしょう。しかし、この問題でそこを検討するのは明らかに深読みしすぎです。問題文には、A社とB社が競っているという以上に両者の意思連絡関係の事情は全く書かれていないのですから、そこを想像で補完して書くのはやめた方が良いです。
2つ目のコメントについて
川下について検討不要かどうかは競争インセンティブの有無のみで決まるわけではありません。基本的な考え方は上記の通りです。設問で求められていなければ書く必要はないですし、問題文に使える事情がないなら書いてはいけません。
私はTKC模試の内容を見てはいないので、仰られるように、模試の問題と平成28年度の問題が比較対象として適切か否かは判断できません。申し訳ありません。
なお、一般論ですが、原料の価格高騰により川上市場での商品価格が上がり、それに伴って川下市場の商品の価格が上がるというのはよくある話です。そのこと自体は各事業者の契約自由の原則に委ねられるものなので、川下市場に価格を転嫁する=競争回避とはなりません。

2020年3月16日