R1司法試験憲法について

立法措置2のSNS事業者の虚偽表現を削除されない自由として構成しました。削除されない自由は消極的表現の自由として考えることは可能ですか?
2020年3月9日
公法系 - 憲法
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご質問ありがとうございます。
消極的表現の自由とは、表現を「しない」自由です。
虚偽表現を削除することは、表現を「しない」自由ではなく、表現を「する」自由が行使できないという話の方がシンプルです。
そもそも論として、「○○をされない自由」という方をベースとして、憲法上の権利を探すのではなく、憲法上の権利である「表現の自由」がどのように制約されているのか、という発想で論じた方がよいでしょうね。
予備校や受験指導校では、「○○をされない自由」という方をベースにする指導がされちているのかもしれませんが、かなりガラパゴスな処理の仕方ですので、従う必要はありません。

2020年3月9日


匿名さん
ストレートに「する自由」で構成したほうがいいですね。予備試験で一度消極的表現の自由について出題されたことがあったので、それに引きずられてしまいました。先生の回答を見て納得しました。すみません、あと一点質問なのですが、表現の自由の保障根拠として思想の自由市場論があると思うのですが、それは虚偽の情報を含めた市場と構成してよろしいでしょうか。思想の自由市場論が、表現をぶつけ合わせて、何が真理であるかというものであるから、そもそも虚偽の情報については、この前提が認められないため、保障根拠が妥当しないようにも思えたのですが、いかがお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。

2020年3月9日

コメントありがとうございます。
とてもいい着眼点ですね。まさに、虚偽であることが「明らか」ならば、そのような議論が成り立ちます。
他方、そもそも論として、何を「虚偽」かが判断できないことや、「虚偽」として罰せられることをおそれて委縮効果が生じるという立場からは、思想の自由市場において判断するべきであり、自由市場が妥当しないようなケース(明らかな差し迫った危険があるケースなど)のみ例外的に禁止してもよい、ということになろうかと思われます。
いずれの立場をとるべきかが、まさにあの問題では問われていたのです。

2020年3月9日


匿名さん
ご回答いただきありがとうございます。より理解が深まりました。①令和元年の司法試験の採点雑感を見たところ、第3立法措置に関する論述.2立法措置1について⑴にて、立法措置1は表現内容着目規制であると言い切っていて、私は表現内容中立規制(虚偽投稿によって生じる社会的混乱を防ぐ)であると考えたのですが、この考えは筋違いなのでしょうか。②採点雑感の第3立法措置に関する論述.2立法措置1について⑶で、事前規制をしているわけでないと記載されてあったのですが、実質的には虚偽表現ができなくなっているのであるから事前規制なのではと思ったのですが、この2点についてご教示をお願いいたします。

2020年3月10日