経済法百選㊾ヤフー・一休株式取得事例

百選㊾p100(ⅲ)において、垂直型企業結合がかかれていますが、川上市場と川上市場の設定がうまくいきません。百選の解説によれば、旅行予約メタサーチサービス業とオンライン旅行予約サービスを川上市場、飲食店予約メタサーチサービス業とオンライン飲食予約サービスを川下市場に類似する関係とできるとされているのですが、かみ砕いて説明していただくことは可能でしょうか。また川上・川下市場において川上市場の需要者と川下市場の供給者が一致していなくても問題ないのでしょうか。
2020年2月29日
選択科目 - 経済法
回答希望講師:中山涼太
回答:1

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中山涼太の回答

これは審査結果の要旨と解説がいけません。これらの説明で市場画定が出来るわけがないので、うまく行かなかったのは仕方がないことです。
理由は明白です。川上と川下の整理が逆なのです。メタサーチサービス業と旅行予約サービス業とを敢えて縦に並べるとすれば、そこで流れていく商品役務は旅館等の宿泊条件という情報です。
そして、商流は、(川上市場)旅館等→旅行予約サービス業、(川下市場)旅行予約サービス業→メタサーチサービス業、(最川下市場)旅行予約サービス業+メタサーチサービス業→一般消費者となるはずです。
つまり、この事例で垂直型企業結合の観点から真に問題になるのは、投入物閉鎖ではなく川上市場でのヤフーによる顧客閉鎖なのです。
川上市場、川下市場に整理するならば、おっしゃる通り、川上の需要者群と川下の供給者群は一致していないとおかしいでしょう。
解説を読み、きっと違和感を覚えたことだと思いますが、以上が違和感の正体です。

2020年3月1日

説明が不足していると思いましたので追記します。
解説に書かれているメタサーチサービス業者の商品役務は、あくまで旅行予約サービス業者を需要者とした場合のものです。需要と供給は片面的なものではありません。メタサーチサービス業者が商品役務を提供するのは、その裏にメタサーチサービス業者自身のとある需要を満たしたいという目的があるからです。
その目的というのが旅館等の宿泊条件という情報商材なのです。
このことを前提に復習されると良いと思います。

2020年3月1日