ご質問ありがとうございます。
政教分離原則には、基底的判断枠組みである総合衡量と、下位の具体的な判断枠組みとして目的効果基準の2段階があります。
空知太神社訴訟大法廷判決は、前者のみを適用したものですが、両者は判断枠組みとして大差はありませんから、主張反論による対立構造とする必要はないように思います。
それよりも、空知太神社訴訟判決で重要となるのは、それ自体が違憲性が推定される典型的な事例であったかどうか、という点でしょう。平成24年司法試験を例にとると、果たしてそのような典型事例といえるのか否かが重要な対立点ではないでしょうか。
また、そもそも論として、政教分離原則の趣旨を国家の非宗教性とするか、宗教的中立性とするかも、対立軸となり得るところです。最高裁では後者で決着がついたようにも読めますが、果たしてそれでよいのかも、私見で検討すべきであると思います。
2020年2月10日