1 結論
監視義務違反行為は,善管注意義務違反(330条,民法644条)になると考えます。
2 理由
会社と取締役は,委任契約(330条)を締結しており,契約上の義務として善管注意義務(民法644条)を負っています。
そして,取締役会設置会社の取締役は,取締役会の構成員として他の取締役を監視義務があり(362条2項2号),非取締役会設置会社の場合は,業務執行権限を有する者として(349条1項)監視義務があると考えられています。
この監視義務は,取締役があくまで契約上会社に負っている義務ですので,善管注意義務の一内容と考えることができます。ですから,上記の結論になります。
ちなみに,法令に違反しないということも取締役の善管注意義務の内容に含まれるとは思いますが,そうすると法令違反の場合すべて善管注意義務違反となってしますので,試験上は,善管注意義務違反(契約違反)と法令違反は区別して認定するとよいと思います。
2020年2月10日