君が代起立斉唱事件について

お世話になっております。表題の件について質問させてください。  
たとえば、事案で君が代起立斉唱事件のような事案が出た際の原告の主張にて、ピアノ伴奏事件の田中裁判官の反対意見、つまり、制約されている自由を、「君が代の斉唱をめぐり学校の入学式のような公的な場で・・・一律に行動すべく強制することに対して・・・参加しない自由」と構成してもよろしいのでしょうか。
参考答案等でこのように構成している答案を見たことがないので何か問題があるのか?と疑問に思いました。
またその際、反論として有効な反論はありますでしょうか?
お忙しいとは思いますがご教授いただきたいです。
2020年2月4日
公法系 - 憲法
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご質問ありがとうございます。
田中裁判官ではなく、藤田宙靖裁判官の反対意見ですね。
もちろん、「一律に強制することに対する違和感」という構成もできるのですが、思想・良心の自由のうち、思想ではなく、単なる内心の自由の問題となり、保護範囲の中核的部分ではない周辺部分に対する直接的制約となります。
本問の問題点は、原告としては、君が代の押し付けという、思想の自由という中核的部分に対する直接的制約という構成が、原告にとっては最も効果的な構成となります。
これに対し、思想の強制まではしていないという反論があり得るところ、具体的な事実関係によって、思想の直接的制約とするか、単なる思想の間接的制約(ないし良心の直接的制約。これは保障強度が弱い)のいずれかで認定することになろうかと思います。
詳しくは、受験新法の連載(2016年4月号)に掲載されていますので、ご覧ください。

2020年2月4日