責任故意の論じかた

いつもお世話になっております。刑法で質問します。
故意責任については「故意責任の本質は、規範に直面したのに……非難にある」という決まりフレーズを使っていますが、これに言葉が似た「責任故意」とは何なのか、今一つ分かりません。
書く場合は、手本論文の見よう見まねで、「……であり、規範に直面していないと言えるから、責任故意(38条1項)は阻却され、○○罪は成立しない」と書いていますが、「故意責任が阻却され、○○罪は成立しない」で良いような気がします。故意責任と責任故意は何が違うのか、お教えくださいませんか。よろしくお願いします。
未設定さん
2020年1月11日
法律系資格 - 予備試験
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご質問ありがとうございます。
詳しく調べているわけではありませんが、「故意責任」は、故意に基づく行為の責任を問うことであるのに対し、「責任故意」は、構成要件としての故意とは別の、責任として問われる故意(刑法38条1項)のことですから、一応、概念としては区別されているように思います。

2020年1月11日


未設定さん
いつも素早くご返答くださいまして、ありがとうございます。
知りたい時に質問し、それに答えていただける。独学には得にくい、貴重な機会です。
感謝します。


2020年1月11日


未設定さん
追加でお教えください。
つまり、責任故意などと言わなくても、ただ「故意」としておいて問題ないということでしょうか?

加藤裕之

2020年1月11日

コメントありがとうございます。
故意には、主観的構成要件としての構成要件的故意と、責任阻却に関する責任故意の2つがあり、両者は別概念です。
たとえば、誤想防衛が典型例ですが、おそわれたと本当に勘違いして、Vを殴ってしまった事例では、Vを殴るという意思はありますから、暴行罪の構成要件的故意があります。
しかし、防衛状況にあると誤信したことから、規範に対して直面していないので、責任故意が阻却され、無罪となるのです。

2020年1月11日


未設定さん
非常に明快なご回答ありがとうございます。
よく分かりました。
責任故意が使いこなせるように勉強します。

加藤裕之


2020年1月12日