憲法の条文抽出力

基本講義憲法でお世話になっております。
初学者のため、簡単な質問ですみません。

憲法の過去問や問題演習に取り掛かる際、どのような人権が制約されているか問題文から特定するのが非常に難しく思います。

例えば、平成10年の旧司法試験第1問は公立高校の文化祭で特定の宗教の研究発表が認められなかったという事例でしたが、参考答案など参照すると学問の自由の侵害で構成されています。
この事例では表現の自由、信教の自由などでも構成できるように思います。
実際、どの権利で構成しなければならないのかは、事例である程度決まっているのでしょうか?

宜しくお願い申し上げます。
2019年9月23日
公法系 - 憲法
回答希望講師:伊藤たける
回答:1

ベストアンサー ファーストアンサー
伊藤たけるの回答

ご質問ありがとうございます。
基本的には、憲法上の権利から導かれる保障内容から、当事者が最も主張したい権利を想定することになるでしょう。
ただし、権利選択はあれかこれかの関係にはなく、複数を主張することも当然ありえますので、時間制限の中で優先順位をつけることになります。

信教の自由の保障内容は、内心における信仰の自由、宗教的行為の自由、宗教的結社の自由です。
文化祭での発表を感じられたとしても、信仰それ自体はできることや、宗教的行為そのものではないので、信教の自由との関係では、制約が乏しいといえるでしょう。

次に、学問の自由では、学問研究の自由、研究結果の教授の自由、研究結果の発表の自由が保障されていますから、研究結果の発表の自由の問題があり得そうです。
もちろん、表現活動でもありますから、当然、表現の自由の問題とも構成できるでしょう。
どちらを主張してもいいのですが、学問の自由は、表現の自由の特則なので、学問の自由を主張するという考えもありえます。
文化祭が表現活動の場なのか、研究結果発表の場なのかにより、使い分けてもいいかもしれませんね。
高校生は、学問の自由の強い保護を受けないとすれば、表現の自由の問題とした方がいいかもしれません。

2019年9月23日


匿名さん
ご返信いただきありがとうございます。

2019年9月23日