予備試験 論文試験合格発表 合格者が次にすること

2016年10月6日   酒本隆弘  清水啓示 

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予備試験口述式試験は何やるの?

予備試験論文式試験の合格者の皆様へ

 論文式試験に合格された皆さま、合格おめでとうございます。
 しかし、皆さんもご存知の通り、まだ最終合格ではありません。約2週間後に控える口述式試験に合格して、ようやく最終合格となります。
 口述式試験は、論文式合格者という少数の者のみが受験できる試験です。そのため、事前に十分な情報を得難い面があります。
 そこで、本稿では、昨年の最終合格者が、自己の体験に基づき、口述式試験の内容から雰囲気に至るまで詳しくご説明します。

予備試験合格者清水先生、酒本先生による
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予備試験合格者による口述対談を公開

口述試験について(前半)

 

口述試験について(後半)

対談の内容は次のとおり

試験の難易度

 受験者の約9割が合格する試験ですから、難しい試験ではないとも思えます。
 しかしながら、その一方で、論文式試験に合格した者の内1割は不合格となってしまうのです。
 この割合は、旧司法試験と共通するようです。もっとも、旧司法試験と異なって、口述不合格者への論文式免除はなく、短答式からやり直すことになります。また、「面接」で法律論を述べるという方式は、多くの方にとって経験の乏しいものではないでしょうか。こういった点からも不安が増すかと思います。
 さらに言えば、論文式試験の合格発表から2週間ほどしか対策期間がありません。論文式試験後から勉強量を減らしていた方は、論文式当時の知識量や思考力を取り戻す必要があります。
 高い合格率とは裏腹に、不合格への恐怖や、不慣れな試験形式・短い対策期間による焦燥感を伴う試験となっています。皆さんが確実に突破するためには、十分な対策が必要となるでしょう。

 

対策の指針

 口述式試験の科目は実務基礎科目民事・刑事の二つに分かれます。
 まず、論文・短答と同様に、何といっても過去問に当たることが重要です。予備校等が出版している参考書等を通じて、過去の試験本番の再現を読みましょう。そこから、どのような問答が繰り広げられるのかについてイメージを掴むことが必須です。
 過去問を分析すると、年々出題が難化している傾向を読み取れるのではないでしょうか。
 単純に知識を問う質問が減少し、その代わりに、論文式で答案に書くような思考過程を述べるよう求められる質問が増えています(特に刑事において顕著です)。
 そのため要件事実や裁判手続等の知識を増やすだけでなく、いわゆる論点の復習も必要になっています。
 
また、論文式試験の実務基礎科目対策で使用していたテキスト・参考書などを用いて知識の再インプットを行うことも忘れてはなりません。

 

目標とすべき学習レベル

 より具体的に、必要となる学習レベルについて説明します。

民事

 民事については、まず要件事実についての質問がメインになります。
 ただし、抽象的な要件事実(「顕名」、「法律行為」、「先立つ代理権授与」といったレベル)を暗記して臨むだけでは不十分です。説明された事案に即して、訴状等に表現するイメージで、具体的に事実を摘示することまでが求められます。そのため、いわゆる記載例を現場で再現できるレベルに至るところを目指すべきでしょう。特に、要件事実の出題レベルはかなり高いので、しっかりと勉強しておく必要があります。
 次に重要なのが民事手続の知識になります。条文を追いながら手続きを説明できるようなイメージで丁寧に学習すると良いでしょう。裁判については、短答式対策に過程で条文素読を十分こなしていれば、その復習で十分カバーできると思います。執行保全については、特に保全の質問が多いのですが、執行について聞かれることも想定する必要があります。もっとも、論文合格発表後のタイミングから新たに基本書を通読することは必須ではないと思います。過去問を分析し、出題された手続の内容・要件・効果について条文を読みながら説明できるようになれば十分です。その限りで基本書等を利用すれば足ります。

刑事

 刑事に関しては、論文式で出題されるような論点を扱う比率が高まっています。規範を説明したり、あるいはその場で「あてはめ」を述べたりすることが求められます。そのため、論文式試験対策の復習を行うべきです。もっとも、論文式試験合格者にとっては簡単に済む部分だと思います。
 そして対策上のメインになるのはやはり手続の学習になると思います。手続きに関しては身柄拘束から公判に至るまで、規則を含め詳細に学習することが必要です。特に公判前整理手続については、条文の枝番号からどんな規定がなされているか指摘できるレベルを目指すと良いと思います(筆者の1人は「六法を見ないで答えてみて」と言われました)。手続それ自体の要件等を説明できることはもちろんのこと、さらに各段階における当事者・関係者の行動などについても説明できるようにすると尚良いでしょう。

 

試験発表後にやるべきこと

 試験の発表が午後4時にあります。合格を確認したら、すぐに予備校各社の口述模試の受験を申込みましょう。合格者数に対して用意されている枠が少ないので、全員が受けられるとは限りません。口述模試では、各予備校とも本番の状況を再現しているので、大変有用です。

 また、ホテルなどを予約する必要がある方はすぐに手配しましょう。自宅から会場に行ける方であっても、朝が弱い人などはホテルを取っておくと安心かと思います。なお、集合時間が朝になるか昼になるかは、口述試験の受験票(私見1週間前ごろに届くと思います)が到着するまでわかりません。

 ホテル選びについては、会場のあるエリアには有名なリゾート施設が存在するため、近辺のホテルは軒並み観光向けとなっています。そのため、単身で試験を受ける受験生のニーズには必ずしも適合しません。そこで、近辺のビジネスホテルをなるべく早く探して確保したいところです。

 

当日の流れ

 最後に、当日の流れを説明します。
 試験会場は浦安の法務省浦安総合センターという研修施設です。
 会場へのアクセスは、京葉線新浦安駅から徒歩15分程度かかります。バスも運行していますが、時間帯によって本数が少なくなることがあります。

 会場に入る際、履いてきた靴をビニールで覆い、その靴を履いたまま移動します。受付で受験票を見せると当日の整理番号が告げられます。この番号が、受験の順番を示します。具体的には○室×番といわれ、この×という数字が試験を受ける順番を示します。1番の方はすぐに受験となります。順番が後ろになると、待ち時間が非常に長くなります。外出はできませんから、間食や飲料などを多く持ち込んだ方が良いです。

 会場で受付を済ませると、施設内の体育館で待機します。体育館内にはパイプ椅子が並んでおり、自分の番号の座席に座ります。ここでは、勉強や飲食が可能です。もっとも、会場に入ってから出るまで電子機器類は使用を禁じられ、封筒に入れて封をされます。なお、トイレについては、随時、監督員が誘導してくれます。

 集合時刻になると、試験についての説明が行われ、その後すぐに1番目と2番目の人が移動します。1番目の人はそのまま試験室へ、2番目の人は発射台と俗称される、試験室付近の待合エリアに誘導されます。その後の番の受験生は、順次体育館から発射台、試験室へと動きます。なお、体育館を出る段階で靴を覆うビニールを外し、所持品をすべて持って移動します。
 試験の順番が来ると、試験室入口横に用意された置き場に所持品を置いて、何も持たずに試験室へ入ります。
 試験室に入る際はまずノックをして、室内から呼び鈴がチリンと鳴るのが聞こえたら入室します。試験室は、ビジネスホテルの一室からベッドを取り除き、空いたスペースにイスと机が置かれた空間になっています(研修施設の宿泊ゾーンの1室なのだと思います)。手前に自分の机とイスがありますので整理番号(受験番号とは違います!)を告げて着席すると試験開始です。

 基本的には2名の試験官のうち一方が質問しそれに端的に答えていきます。質問する人が主査、そうでない人が副査と呼ばれています。副査はときどき質問を行う場合がありますが、主として受験生の回答に対するリアクションを示してくれる存在です。このリアクションが非常に重要です。良好な回答をすれば大きく頷き、筋が悪い回答を行っている場合には首を傾げるといった具合です。これを見つつ、適宜自己の回答の筋を修正できれば、十分合格点が付きます。

 試験時間自体は民事刑事ともに20分程度であり、長い部屋でも30分程度です(試験官次第になります)。六法は予備試験用法文が机に置いてありますが、これは試験官の承諾がなければ開けません。条文番号や基本的な要件について質問された際に正答できないと「六法を見て良いですよ」と言われたりします。こちらから「六法を見ても良いでしょうか」と聞くこともできます。このような場面で六法を見ずに正答できれば、評価を上げることができます。評価については、まず各自ひと科目あたり60点ずつ持ち点があります。そこから印象の良し悪しで1~3点程度操作され、その合算が成績となります。

 試験が終わって退室した後の流れは、午前組か午後組かで異なります。午後組は流れ解散になりますが、午前組は終了後に別の待機室に通されます。午前組の方は、午後組の集合時間が過ぎた後に解散となります。一日目午前の方は、二日目科目の参考書等を持ち込むことで、時間を無為にせずに済むと思います。二日目午前の方は、試験がすべて終了した後ですので、小説等をもって時間を潰すと良いかもしれません(上述の通り、試験が終わった後も、会場を出るまで電子機器は使用できません。)。

 なお1日目が終わったら、自分が受けたのと裏の科目について情報を収集しておくのが望ましいです。傾向を把握でき、また前日出たものは出にくいだろうということで的を絞れるからです。もっとも同様の出題がないわけではありませんので注意が必要です。

 

 

 

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