あなたはやってる?短期合格者が自然とやってる高速回転(アジャイル)学習

あなたはやってる?
短期合格者がやってるアジャイル学習

目次
・2名の短期合格者の勉強法
・短期合格者の勉強法の共通点
・アジャイル学習を体現
・GoogleやAppleも採用しているアジャイルとは

短期で一気に理解を深めるための高速回転学習法:剛力大先生

剛力大先生/平成30年予備試験合格・令和元年司法試験合格(大学4年生で突破)

 「法律は全体を知ってパーツを見ると理解が深まる」と考えていましたので、1冊の演習書をこなすにしても「1周を早くこなして早々に見返す」ことを念頭に置いていました。

 まず、1冊の演習書を可能な限り早く1回解きます。最後の問題を解いた時に最初の方の問題を忘れててもいいです。
 解き終えたらすぐに2回目に入り1回目よりも短い期間で演習書を解きます。たとえば1回目に10日かかった場合、2回目は5~6日で終わらせます。さらに3回目では2回目よりも短い期間で解く…、3回目が終われば4回目は3回目よりも短い期間…、というように、1回目⇒2回目⇒3回目…と短期で回し、前の周回より次の周回の方が短い期間で終わらせるような学習をしました。

 3周~5周やると全体を把握できるので、そうしたらいったん該当の演習書とは距離を置き別の演習書をやりました。ただ、別の演習書の合間に1日程度距離を置いていた演習書を見返して忘れないようにしていました。

 記憶が新しいうちにペンキを塗り足すように、同じことを繰り返し、記憶を定着させるというイメージです。
重要なことは「全体を知り、論点というパーツの場所がわかる状況」を作り出すことですので、1つ1つを完璧に覚える必要はありません。全体像がわかればパーツの位置づけもわかるので、知識も忘れづらいです。
 特に憲法・刑法・民事訴訟法・刑事訴訟法は1冊の演習書だけで出題される範囲はある程度カバーできる、少なくとも各科目学習の中心教材になります。民法・商法は範囲が広いので1冊では終わりません。逆に行政法はこういった学習はせず、直前期にしか勉強しませんでした。

中期的に網羅性・確実性を高めるための回転学習法

田川裕太先生/令和元年予備試験合格(大学4年生で突破)・令和2年司法試験合格

 平成30年に予備試験短答試験に突破しましたが、その時点では論文対策は全くしていませんでした。そのため、短答合格の時点でその年の予備論文突破は諦め、翌年の予備論文突破のための学習プランを考えました。

 私は大手予備校の講座を受けていましたが論文講座は約200時間弱とかなりの分量がありました。そこでできた学習プランが「令和元年の予備論文までに論文講座を10周回す」ということでした。
 そのため、平成30年短答合格から予備試験論文までの約2ヶ月間で最初の1周を必ず完了させることを目標にしました。
 この2ヶ月が本当に辛かった…とにかく復習せずにドンドン次、次、次と問題をこなすことで進めていきました。
 目標を短期で設定し、自分を追い込むことで「やらなければならない」という強制力を働かせ、予備試験論文までに1周を完了させることができました。

 7月の予備論文後にはじめた2周目は1周目を2ヶ月という短期で完了させていため、より短い期間で回すことができました。1周目よりも2周目が短く、2周目よりも3周目よりも短くと、ドンドン問題演習を回す期間を短くすることができました。

 最終的に令和元年の予備試験までに10周回すという目標を達成し、論文合格をすることができました。

短期合格者の勉強法の共通点

剛力先生と田川先生の勉強方法には、実は短期合格のための共通点が隠れています。

学習の価値は1つの論点を覚えることではなく"見返す学習"にあるという点

両者に共通する点の1つ目は、見返す学習こそ重要なものであり、真の試験対策のメインになると考えている点です。1周目の学習が終わって満足するのではなく、むしろ1周目は見返す学習の第一歩と考えているのです。
1周目は狭い範囲で、または、短期で区切りをつけ、即座に2周目・3周目…という風に集中的に行っているのです。

「いつか覚える」は二度とこない…
試験対策の学習において、1周目で覚えようと考える人は少ないでしょうが、その反面、1回学習したら一度満足し、習った知識を「いつかは覚える」とその場は終わらせてしまいがちな人は多いです。
しかし、期間を空ければ空けるほど記憶は薄れていきます。思い出した頃に1周目の知識を再確認しても、すでにほぼ忘れているので実質的に1周目と変わりません。そして、また「いつかは覚える」となってしまい…、その「いつか」は二度と来ないでしょう。これではいつまでたっても理解し、使える知識に昇華させることはできません。

短期合格者は、1周目はいわば「見返す学習」の対象・範囲を確認、2周目で「見返す学習」を本格開始、3周目の「見返す学習」で記憶が定着し始める、4周目、5周目…というように、当初から「見返す学習」が重要であることを自覚し、むしろそれが学習のメインであることを意識して勉強しているのです。だから短期で必要な知識を出力(アウトプット)できるのです。

繰り返すことで学習時間が短縮される
この学習法は、1周目よりも2周目、2周目よりも3周目と、短期期間で見返す学習を繰り返すと、学習時間が短くなるというメリットがあります。

一度読んだ漫画や小説をすぐに読み返した場合を想像してみてください。1周目を読んだスピードよりも読み返したスピードの方が速かった経験はありませんか?
これはすぐに読み返した際、「キャラクターはこの後にこういう行動をする」というイメージがすぐに出てくる、予測が立つため、じっくり吟味する時間が省けているからなのです。
同様の理由で、直近で学習したものを即座に確認すると、1周目よりも2周目の方が学習時間は短くになり、2周目よりも3周目の方が学習時間が短くなります。現に剛力先生は1周目10日間でこなした演習書を、最終的には1日で見返せるように、田川先生は超ボリュームのある講座を1周目は2か月弱かかっていたものを最終的には数週間で回せるほど圧縮できています。

学習の核(コア)はインプット教材ではなく演習教材である点

共通している点の2つ目は、インプットを早々に切り上げ、見返す学習は演習教材をメインにおいているという点です。

演習教材をメインに置くことは、「記憶の定着度・理解度のアップ」「見返す学習の効率アップ」、そして「基本論点・重要論点を強制的に顕在化できる」という点でメリットがあります。

能動的なプロセスを踏むことが重要
出発がインプット教材の場合は、どうしても文字や講師から一方的に指導を受けるという受動的な行為なのに対し、出発が演習教材の場合は、問題を読んでわからないところがある⇒わからないから調べる⇒理解する、という能動的なプロセスを踏むことになります。この能動的なプロセスが非常に重要になってきます。

一度自分の頭で考え、調べ、理解するという過程を踏むことと、一方的にただ指導を受けているだけでは記憶の定着度、理解度が全く異なります。だから見返す学習もどんどん短時間で回すことができ、学習効率も上がっていきます。


 

強制的にメリハリを付けられる
さらに、インプット教材を学習のメインで行ってしまうと、どこが基本論点・重要論点なのかがわからなくなり、結局全部やるということになってしまってメリハリを付けることが難しくなってしまいます(講師がランク付けする場合もありますが、心配性・完璧主義の人は気になってしまうでしょう)。

その点、演習教材は、網羅性はインプット教材よりは劣るものの、受験生よりも試験傾向に詳しい教材作成者が考える基本論点・重要論点に限定され、強制的にこれらの論点を特定することができます。
演習教材をメインにおけば、否が応にもメリハリを付けざるを得ない状況が作り出せるのです。

枝葉のようにつながりで理解できる
演習教材で軸を作り、それをインプット教材で確認→派生論点へ広げていき知識を網羅していくイメージで学習すると、1つ1つの知識がパーツ止まりになるのではなく、まるで枝葉がわかれていくようにつながりで理解することができるようになるのです。


 

剛力先生・田川先生の見返す学習は、サイクルを作るアジャイル学習

剛力先生・田川先生の演習教材を利用した"見返す学習"は、まさにサイクルを作るアジャイル学習です。

「知る・解く」は早めに回して、「深める・まとめる」学習を中心に


学習段階は「知る」「解く」「深める」「まとめる」の4つに分けられますが、BEXAのアジャイル学習は、この4段階を小さなサイクルからはじめて段々大きなサイクルにしていく学習法です。剛力先生と田川先生の学習方法は、まさにBEXAが推奨するアジャイル学習そのものを実践しています。

剛力先生・田川先生の1周目の学習がアジャイル学習の「知る」「解く」の段階に相当し、2周目以降の学習がアジャイル学習の「深める」「まとめる」段階に相当します。
「知る」「解く」はいわばミクロの視点、知識のパーツを1つずつ確認していく作業なのに対し、「深める」「まとめる」はいわばマクロの視点、つまり全体の流れやパーツの位置づけを把握する作業です。
「知る」「解く」だけではサイクルは完成せず、「深める」「まとめる」学習を小さくでもいいから早期に学習に取り入れなければ効果的な学習は難しいでしょう。

勉強方法がわからない勉強法の初学者は、「知る」「解く」をとりあえず繰り返せばいいと勘違いしがちですが、学習において重要なことは意識的に「深める」「まとめる」学習を取り入れることが重要になります。


 

「ここまでできる」を作る!できたら定期的に見返す!


実はサイクルは狭い範囲、極端にいえば1つの科目の特定の分野だけでも回すことはできるのです。
剛力先生の1冊の演習書だけ理解できるようにする勉強法がこの一例です。

「ここまではできる」範囲を広げる
アジャイル学習のポイントの1つは、学習計画を立てる際に、あなたが「ここまではできる」という小さなゴールを立て、ゴールを達成するためのサイクルを組み込むという発想です。
剛力先生の例でいえば、演習書1冊だけを1周、2周、3周…と、演習書の中で「知る」「解く」「深める」「まとめる」のサイクルと作り上げます。そのサイクルだけを繰り返し行うのです。できる範囲でサイクルを回すことができるから、「ここまではできる」と自信を持って次の学習に移ることができます。

この発想は、モチベーションという点でもいい効果があります。従来の学習計画を提示して「あなたはここで合格するのです」だけ言われる学習法では、最終目標が目立つ割にはそのプロセスが長期であることや、「これをやれ、あれをやれ」と課題を出され負担が重くなりモチベーションが下がりがちです。
アジャイル学習は、小さなゴールを積み上げていく、つまりあなたの成功体験を積み上げていくことができる学習法なので、モチベーションも維持することが可能になるのです。


 

見返す学習を定期的に取り入れる
アジャイル学習のもう1つのポイントは、新しいサイクルを作り出したら、すでに作ったサイクルは定期的にチェックするという点です。週単位・月単位でサイクルをチェックすることで、記憶の定着を短期的なものから中期的なものに進化させることができる上、定期的にチェックすることで見返す時間がドンドン短縮されていきます。

たとえば、民法の信義則~意思表示(心裡留保・虚偽表示・錯誤・詐欺)という短い分野を1週間かけて3周回し、3時間で見返せるサイクルを作り上げたとしましょう。
翌週は代理です。代理も1週間かけて3周回すスプリント計画を立てるわけですが、その1週間のうち、3時間だけは前週で作り上げた意思表示までのサイクルを見返す時間を作ってください。
さらに翌週も新しい分野のスプリント計画を立てるわけですが、その計画のうち、3時間だけは前週・前々週分のサイクルを見返す時間を作ってください。
ある程度見返すサイクルが大きくなったら、1月のうちどこかで1日かけてすべてを高速で見返す時間を作ってください。

このように、週単位・月単位でサイクルを回す、サイクルを定期的に見返すことを繰り返せしてあなたの「できる」をどんどん大きくすることが重要になります。

司法試験道場でアジャイル学習を体現できる

司法試験道場でアジャイル学習を体現できる

動画で吉野先生が話している通り、司法試験道場では演習教材をメインにしたアジャイル学習を体現できます。

・インプットとアウトプットを近接させるために短文事例問題講座を用意してるから、演習教材⇒インプット教材に派生できる
・短文事例問題講座は超基本問題を283問全回配信中
・インプット講座と短文事例問題講座は吉野先生が一気通貫で解説
・インプット教材は吉野先生が合格に必要な部分に厳選
・インプット講座は判例を演習のように解説。演習で使える知識を習得できる。

GAFA(Google,Apple,Facebook,Amazon)でも取り入れている「アジャイル」とは!?

プロジェクトマネジメントの手法として、アジャイルとウォーターフォールがあります。
BEXAが推奨するアジャイル学習は、アジャイル型のプロジェクトマネジメントによる学習の管理です。基礎講座、論文講座をすべて受けて試験に臨むという従来の予備校型学習はウォーターフォール型のプロジェクトマネジメントといえます。

Standish Groupの調査によれば、アジャイル型のプロジェクトの成功率は42%、ウォーターフォールは26%と、アジャイル型の方が2倍近く高い成功率を誇っています。

さらに失敗の割合としてはアジャイル8%、ウォーターフォールは21%(障害発生割合はアジャイル50%、ウォータフォール53%)と、アジャイル型の方が約3分の1におさえられます。

https://vitalitychicago.com/blog/agile-projects-are-more-successful-traditional-projects/より抜粋

つまり、アジャイルは失敗しない学習マネジメントといえます。

では何故失敗しないのでしょうか?

それは、短期間のゴールを設定することで、予測を容易にするからです。
そのうえ、小さなゴールを積み上げて、中間ゴール、ひいては目的の近づいていきます。

予測の難易度が低いということは、すなわち成功率があがるということです。
これは、学習において特に重要です。

失敗を繰り返すほど、学習者はどうせうまくいかないと学習してしまい、モチベーションが下がっていきます。すると当然、学習効率や目標と達成率もさがるので、悪循環に陥ってしまいます。

他方で、成功体験を積み重ねれば、モチベーションは向上します。
さらに、可処分量と必要量の予測が成功のたびにブラッシュアップされるため、より精度の学習計画を経てることができます。すると、さらに成功率があがり、モチベーショと学習効率があがるという好循環をうむことができます。

このように、根性論ではなく、合格する環境を作る思想がアジャイル学習の根底にあるのです。

そこで、アジャイル学習では、中間ゴールのほかに「スプリント」と呼ばれる1日から1週間単位の学習計画が重要になります。スプリントは短ければ短いほどよいとされています。GAFA(Google,Apple,Facebook,Amazon)の開発部門では、3時間で1スプリントをこなすところもあると言われています。

BEXAが推奨するアジャイル学習では、知る→1週間で解く→深める→ラップアップという固定サイクルを作り、それをひたすら回すという手法をおすすめいたします。

具体的には…、 たとえば司法試験道場であれば、憲法のインプット講座(知る)と→短文事例問題を解く(解く)、市販の短答過去問を解く(解く)→間違えた問題についてインプット講座で復習→短文事例、短答過去問集にチェックを入れる(ラップアップ)というサイクルになります。

まず、司法試験道場のインプット講座のテキストで各分野が何ページから何ページまであるかを確認し、今週のスプリント目標をどこまで終わらせるかを決めます。
はじめは、目次をみて、霧の良いところを目標とするといいでしょう。スプリントをこなすにつれて、段々とスプリントごとの可処分量と学習の必要量がわかってくるので、成功できる目標設定をたてるようにしていきましょう。

それを踏まえて ①決めた範囲のインプット講座を受講し、そのまま②短文事例問題講座の該当箇所も受講してください。そして、③短答過去問の該当箇所も解いてしまいましょう。 短答合格が目標ですが、憲法短答は判例の理解が多く問われたりしますので、短文事例問題でアウトプットすることでより判例の理解が進むのでおすすめです。 本番までこれだけを実践しましょう。

2021年8月15日   剛力大  田川裕太  吉野勲 

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