①法律論
②法律論に基づくあてはめ
この2つが論文試験ではメインの課題になります。
①法律論については、まさにインプット講座で学ぶところです。
しかし、予備試験でより重要になるのは、②法律論に基づくあてはめです。①法律論を学ぶ(武器を学ぶ)と同時に、②法律論に基づくあてはめも学ぶ(武器の使い方を学ぶ)ことが、効率よく学習するポイントです。
法律初学者の方は「まずインプットから」と考えるでしょうが、インプットの段階で、①法律論だけを学んでしまい、①②を分けてしまうと、インプットからアウトプットに大きな隔たりとなり、移行するときに挫折してしまうのです。
①法律論を学ぶ=武器を学ぶ
②法律論に基づくあてはめを学ぶ=武器の使い方を学ぶ
この2つを同時並行で行うことを意識したテキスト・講座が必要になってくるのです。
予備試験の論文は基本7科目(憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法)も含まれます。
この7科目にはそれぞれ、あてはめに特徴があります。
たとえば...
・刑法:構成要件に該当する事実を集めて評価する
・行政法:複数の条文の仕組みを理解して論点を見つけて評価する
といった特徴があります。
実際に令和2年の予備試験行政法の問題で提示された資料を見てみましょう。
行政法で注目すべきは問題文よりも、素材にされた条文が多く掲載されている点です。
予備試験にかかわらず、司法試験でも行政法は、問題文ではじめて見る条文の仕組み・制度をその場で理解させ、それを事案にあてはめて解釈させるという特徴があるのです。
これはインプットだけでは太刀打ちができず、あてはめの訓練が必要になります。
しかし前述の通り、「まずインプットから」とインプット講座だけで学習していると、あてはめができなくなり、挫折の原因になってしまうのです。
司法試験道場のテキストの大きな特徴は、インプット講座の段階から、①法律論を学ぶこと、だけでなく、②法律論に基づくあてはめの訓練も意識して制作されているという点、そして判例をまさに②法律論に基づくあてはめ訓練の素材としている点です。
テキスト一部抜粋
※該当のテキストは令和2年予備試験とは無関係です。
通常のテキストでは、判例の判旨は①法律論部分だけ抜粋して終わりですが、司法試験道場では、判例の判旨は①法律論部分+②あてはめ部分も重点的に掲載されています。
この意図は、インプット段階から判例のあてはめを学ぶことにより、①判例の法律論だけでなく、②判例のあてはめのテクニックも学ぶことにあります。②判例のあてはめは決して覚えるわけではなく、あてはめのテクニックをインプット段階で理解してもらうことで、自身の答案でもあてはめのテクニックを応用できる仕組みになっています。
・予備試験の論文試験は有名判例がベースになっていることが多い。
⇒あてはめの訓練がそのまま答案に活きる!
・実は判例の法律論は、あてはめと密接に関連している。
⇒法律論+あてはめを同時に学ぶことで判例の理解が深まる!
・判例のあてはめを学ぶ
=あてはめの相場観を学べるからアウトプットの挫折要因がなくなる!
・短文事例問題と組み合わせて使えば問題を「解く」ことができる!
インプット段階で学ぶということは、覚えることが増えるのでは?と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
ご安心ください。判例のあてはめは覚える必要はありません。あてはめの相場観を吉野先生がテキストを使って丁寧に解説します。
2021年4月21日 吉野勲
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