※「4A基礎講座」と「4S基礎講座」は同一内容の講座になります。
K・Yさん受講時は「4A」でしたが、混乱を避けるため以下「4S」で統一します。
○「完璧主義」による挫折
○「完璧主義」を捨てて予備試験合格
○4Sとの出会い
○4Sは『考え方』を身につける講座
○4Sは最良の教材
子供の頃から法曹に憧れていたので、法学部に入学しました。
大学入学時から司法試験を目指そうと思っていので、大学二年生の時に、レックの工藤先生の基礎講座を購入しました。しかし、三年生になるまであまり本腰をいれて勉強に取り組んではいなかった。
司法試験に正面から、向き合うようになったきっかけは、三年時の犯罪被害についての授業を受けたことだった。犯罪被害者の現状を知り、弁護士になって法律面から、被害者に寄り添いたいと強く思いました。
勉強を開始した私でしたが、子供のころからの完璧主義が、勉強の足をひっぱった。
大学に入る前から、ノートを芸術作品のように仕上げたりしてしまう癖がありました。
工藤先生の講義を受ける際も、一字一句聞き逃さなければと思うあまり、聞き逃したところを、巻き戻して再生するなどしたために、一周回すのにとても時間がかかってしまいました。
『試験に合格すること』ではなく、『主観的に完成度を高めること』を目的にしてしまっていたわけです。勉強していれば、いつかは合格できるだろうと漠然とすごしてしまっていました。
完璧主義ゆえに、基礎講座受講が一向に進まないことに苦しむ日々が続きました。
苦しくなり、さらに進まなくなるという負のスパイラルに陥ってしまったわけです。なんとか基礎講座は最後まで受けきることができましたが、正直に言って苦痛でした。
大学三年次・四年次と予備試験を受けましたが合格できなったため、関西の有名大学ロースクールに進学しました。
大学時代、犯罪学・法哲学・刑事政策などの学習を通じて、私は法創造の分野に興味を抱いていました。世の中のあるべき姿を考え、議論するのは私にとってとても有意義に思える時間でした。
しかし、ロースクールの講義は絶対的な論理をただひたすら覚えるだけであり、私のマインドには合いませんでした。
私見ですが、内容的にも、学説などを深く掘り下げすぎていて、最短合格を目指すなら正直やるべきではないことがたくさん含まれていた科目が多かったように思えます。
ロースクール既修二年次に受験した三度目の予備試験の結果もボロボロでした。
私には、予備試験に"かっこいい、逆転勝利"だと言った主観的な憧れがありました。ロースクール三年次に予備試験に合格しても、就活面などであまりメリットがないように感じていましたが、予備試験に合格できなかった自分を想像するととても苦しかった。
どうしても予備試験に合格したかった私は、『完璧主義』を捨てることを決意しました。
ロースクール既修二年次に予備試験に落ちてから、私は合格に必要なもの以外を、全て切り捨てることにしました。
ロースクールの講義は捨てて、勉強を基本講義と過去問だけに絞ったのです。
『主観的完成度を高めること』を目的としていた過去の自分から脱却し、勉強のすべてを『試験に受かること』を目的に設計し直しました。
同時に、勉強していればいつかは受かると漠然と考える自分と決別するために、『次の予備試験に受からなければ腹を切る』などと吹聴していました。
今考えれば、おかしな話だが、古い自分と決別し、『絶対に翌年の予備試験に受かる』という決意を固める意味では重要だったのです。
また、マインドの合わないロースクールのやり方から、自分のやり方に路線を変えることを周りに示したという意味でもモチベーションが上がりました。
結果として、ロースクール既習三年時に予備試験に合格することができました。
『絶対に翌年の予備試験に合格する』と期限のある目標を明確に設定したことで、『完璧主義』を捨てることができ、合格できたと思います。
実は、『完璧主義』の弊害は、第一志望の国立大学に入れなかった時から、頭では認識していました。しかし、『絶対に翌年、合格する』という目標を設定するまでは捨てることが出来ていませんでした。
実は、予備論文試験を受けた直後は落ちたと思っていました。人生終わったと思い、メンタルはボロボロでした。
結果的には合格していたものの、論文はFの科目もあり、司法試験に一発合格するために論文対策がさらに必要になりました。
当時の私は、論文問題を見て、道筋が分からないとパニックをすぐにパニックを起こしてしまっていた。
自分の知識に引きつけてしまう悪癖があったため、知らないことがあると答案が書けなくなってしまいます。
司法試験では、例年4割程度は、知識でカバーできない問題が出るため、この悪癖のせいで成績があまり伸びませんでした。
そんなときに4S基礎講座と出会いました。
中村先生は論文を書くのに『知識などいらない』とおっしゃいました。
条文をベースにその場で考える4Sにより、飛躍的に論文ができるようになりました。
以前の私であれば、知らない問題で知識に引きつけてしまっていたころはパニックを起こしてうまく回答できませんでした。
しかし、4Sを使えば、問題と条文を『カンニング』できるので、分からない問題がなくなりました。
特定の問題を教える講義が多い中で、普遍的に使える『考え方』を教えてくれる講義は他にはありません。
4Sと出会うまで、私は論文の自己採点ができていませんでした。どうしていいのか分からなかったのです。
しかし、4S基礎講座や論文分析講座の中で、中村先生が『触れていたら点が入る』、『書いていたら最低ライン』など、具体的な採点基準を示してくれたので、答案の自己採点ができるようになりました。
中村先生は、講義中に4A基礎講座を5周はやるように言っているが、実は私は一周終わっていないのです。
だが、それでも『条文ベース』で『その場で考える』4Sのやり方を身に着けることができました。分からない問題をほとんどなくすことができたのです。
身にしみついた『完璧主義』ゆえに、4Sを丁寧に学習したのだと思います。
悪癖だと思っていた『完璧主義』でしたが、『合格することを目的』に設定すると、むしろ役に立つことも多かったです。
4Sは、『考え方』を身に着けるための講座ですから、『知識』を学ぶ講座と違い、1周を丁寧にやった方が合う人もいると思います。
演習書や予備校答練などに手を出す人が多いが、過去問が最高の教材であることは間違いありません。
教材は、過去問と1つ基本テキストまたは講座に絞って、それを完璧にやる方が良いと思います。
私は、最終的には、4Sテキストと過去問だけに絞って合格しました。
過去問以外の問題演習に関しては、直前期に苦手な分野だけ4S附属の論点が絞られた問題を解くことで補強しました。
司法試験では、特定の問題を教える講座が多く、『普遍的な考え方』を教えてくれる講座はほとんどありません。
そんな中で、4Sは様々な問題に通用する『普遍的な考え方』を学ぶことができ、分からない問題がなくなる『凄く極めて合理的な教材』だと思います。
2020年1月1日 中村充
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