司法試験・予備試験まで、いよいよ秒読み。
この時期になると、「今から何をすればいいのか」と迷う受験生も少なくありません。
ただひとつ言えるのは、この数日間は、知識を詰め込む期間ではなく、本番で力を出す準備をする期間だということ。
試験直前期の過ごし方や本番での心構えについて、超短期合格者である剛力講師の実践的なアドバイスをまとめました。
まずは、短答合格者の司法試験の直近2年の合格率を見てみましょう。
年度 | 短答合格者 | 最終合格者 | 合格率(短答合格者ベース) |
---|---|---|---|
令和6年司法試験 | 2,958人 | 1,592人 | 54% |
令和5年司法試験 | 3,149人 | 1,781人 | 56% |
つまり、短答を突破すれば、2人に1人以上が最終合格している試験です。
今からやるべきことは、「持っている力を本番で出せるようにすること」に尽きます。
合格は、準備5割・本番5割です。どれだけ準備しても、当日崩れたら意味がありません。
本番で「分からない問題」に出会うのは当たり前。
でもそのときに、
しかし、実際のところは
つまり、最善の答案を目指すより、相対的に「マシ」な答案を冷静に書けた人が合格していくのです。
誰もが解けないような問題が出たとき、やってはいけないのは「わからないのは自分だけだ」と焦ってしまったり、暗記した論証に無理やり当てはめてしまうことです。
事前に「わからない問題が出る」ことを想定し、落ち着いて対応する準備をしておきましょう。また本番では、問題文の事実と誘導を丁寧に使って、自分なりに答案を構成することが重要です。
典型論点が出たとき、「知っている」と安心して雑に処理してしまうのも危険です。
このような問題は、他の受験生もある程度は書けるため、細部の処理で差がつきます。
誰もが書ける論点だからこそ、当てはめや思考過程の質が勝負になるのです。
「他と差をつけるチャンス」だという意識で、丁寧に答案を書き上げる必要があります。
論文に力を入れてきた一方で、「短答が不安」という方もいるかもしれません。
ただ、短答は論文と違い、直前でも点数が伸びやすい科目です。
1日目:総則
2日目:物権
3日目:債権総論
4日目:債権各論
5日目:親族・相続
「あと10点」は、今からでも取りに行けます。
直前期に新しい問題集や教材に手を出す必要はありません。
この時期に重要なのは、「できることを確認すること」
使い慣れた教材を見直し、「あ、わかる」と感じる体験を積み重ねることで、本番への不安を抑え、メンタルを安定させることができます。
新しいことに手を出さず、自信を持てる“引き出し”を整える。それが直前期最大の対策です。
司法試験は、「あと1点で泣く」こともあれば、「あと1点で勝てる」試験です。
あとは、自分を信じて、最後の1問、最後の1点に向かって手を伸ばすだけです。
本番で、あなたの力がきちんと届きますように。全力を出し切ってきてください。
2025年7月14日 剛力大
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