司法試験の勉強は長期戦です。私は勉強が得意でも好きでもなく、「めんどくさい」と思うことの連続でした。それでも、予備校を使わずにゼミを活用することで、なんとか合格することができました。今回は、私がどのように勉強してきたのか、「めんどくさい」を乗り越えた勉強法を紹介します。
大学で法学を学び始めてすぐ、想像以上に大変だと感じました。特に刑法は難しく、授業についていくのも一苦労でした。それでも法律の道に進みたいと思い、予備試験の受験を決意。そこで某予備校の基礎講座を受講したものの、膨大な量に圧倒され、2〜3ヶ月で挫折してしまいました。
「このままじゃ無理だな」と思い、予備試験ではなくロースクール進学を目指すことにしました。しかし勉強を進めるうちに、独学だけでは限界があると気付かされます。試験範囲も膨大だし、何から手をつければいいのかも分からない状態でした。
ロースクール進学後も、予備校は使わずに独学で学習を進めました。けれど、基本書を一から読んでいては時間がかかりすぎるし、内容が頭に定着しない。そこで、学習の効率を上げるために「まとめノート」を作ることにしました。
私はiPadのGoodNotesを使ってノートを作成しました。授業の復習の際にノートをまとめることで、インプットの効率を高めました。
刑法・刑訴は学部時代にほとんど勉強できていなかったので、ロースクール入学後に基礎からやり直しました。特に『エクササイズ刑訴』や『徹底チェック刑法』を活用しながら、苦手意識を克服しました。
直前期には、このノートを見返すだけで復習が完了するように作り込みました。
論文試験の答案を書くのがとにかく苦手でした。論点は分かっていても、答案としてまとめるのが難しく、なかなか手が動かなかったです。
そこで、ゼミを活用して「答案を書く環境を強制的に作る」ことにしました。ロースクール入学直後から、司法試験対策のゼミに参加しました。毎週答案を提出し、仲間とお互いに添削し合いました。試験3週間前(6月中旬)までゼミを継続し、本番直前まで答案を書く習慣を維持しました。
ゼミを活用したことで、「書かないとまずい」という状況になり、結果的に答案を仕上げる力が身についていきました
試験直前に「絶対に受からなければならない」と思い詰めなかったことが、かえって良い方向に働き、結果としては合格できました。他の受験生が極限まで追い込むなか、私は2週間に1回飲みに行く余裕を持てていたので、気持ちを楽に保ちながら勉強を続けることができました。
司法試験の勉強は長期戦であり、モチベーションを維持し続けるのは簡単ではありません。私自身、勉強が「めんどくさい」と感じることは何度もありました。一人で机に向かい、集中し続けることが苦手だったからです。 休憩時間を「5分だけ」と決めても、気づいたらスマホを触って3時間経っていたこともありました。
しかし、いくつかの工夫を取り入れることで、無理なく継続することができました。特に、学習環境の工夫・ゼミの活用・ご褒美の設定などが効果的でした。以下に乗り越え方を具体的にご紹介するので、受験生の方々に少しでもお力になれましたら嬉しいです。
休憩の長さは日によってバラバラで、5分のときもあれば、2〜3時間のときもありました。長く休んでしまっても自分を責めすぎず、次の日に挽回できるように調整していました。
自宅ではゲームやテレビを置かず、すぐ手の届く場所に基本書を並べることで、「座れば勉強するしかない」環境を作りました。
1人で勉強するのは苦痛でも、仲間がいれば継続しやすくなります。ゼミの予定があることで、勉強をサボることなく続けることができました。
直前期はストレスが溜まりやすかったので、2週間に1回の飲み会をモチベーションにしました。「あと2週間頑張ったら飲みに行ける」と思うだけで、気持ちを前向きに維持できました。
短答対策は、なるべく早くから対策を始めるべきだと感じました。試験直前に詰め込もうとしても、膨大な知識を短期間で定着させるのは難しいため、コツコツと学習を進めることが重要です。
論文試験の勉強方法は人によって異なりますが、共通して言えることは「過去問は絶対にやったほうがいい」ということです。
・10年分くらい遡るのが理想(私はそこまでできず、多くの科目は3〜4年分しかできませんでしたが、それでも効果を実感しました)。
・行政法や刑訴などの科目では、過去問と同じ論点が出ることもあるため、特に重点的に取り組むべきです。
過去問を解くことで、試験で求められる書き方や論点の押さえ方がわかるので、実践的な対策として非常に有効です。
司法試験の勉強は「めんどくさい」と感じることの連続でしたが、工夫次第で乗り越えられます。息抜きしつつ、無理せず続けることが合格への一番の近道だと思います。
科目 | 使用教材 |
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憲法 | 肢別本 憲法 |
民法 | 肢別本 民法 |
刑法 | 肢別本 刑法 |
科目 | 使用教材 |
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憲法 | 新4人組憲法 憲法判例百選 過去問 |
行政法 | 基本行政法 行政法解釈の技法 過去問 |
民法 | 佐久間民法総則・物権 松岡担保物権法 潮見プラクティス 潮見イエロー六法 ロープラ総則物権百選 過去問 |
会社法 | 田中会社法 会社法判例百選 過去問 |
民訴 | リーガルクエスト民事訴訟法 民事訴訟法判例百選 過去問 |
刑法 | 基本刑法Ⅰ 基本刑法Ⅱ 過去問 |
刑訴 | 川出刑事訴訟法 過去問 |
選択科目:倒産法 | 倒産法(篠原・中野) |
2025年3月28日
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