『司法試験・予備試験これだけ!75』配信遅延と講義時間について
2024年8月3日「司法試験・予備試験 これだけ!75」の全講義の配信を完了いたしました。
みなさまにはお待たせしてしまい、大変申し訳ございませんでした。
当初「これだけ75」の講義時間は、75時間を想定しており、その旨のご案内をしておりました。
実際に収録した結果、当初のご案内よりも短い約51時間となりましたが、近年の予備試験・司法試験の出題傾向にも自信を持って「これだけで大丈夫!」と言える内容になっておりますので、安心してご受講いただけます。
まず、こうした講義時間が事前のご案内よりも短くなってしまったことは、単に私の見積もりが甘かったことに原因があります。この点について、心よりお詫び申し上げます。今後は、企画段階でのカリキュラム検討をより慎重に行い、このようなことが無いようにいたします。
対応にあたり、コア知識編に重要度が低い知識を加えて、事前のご案内どおりの講義時間にすることも考えました。
しかし、合格のために大切なことは、講義の時間数ではありません。多くの受験生が書ける部分について「書き負けないこと」です。「これだけ75」は、「多くの受験生が書ける部分」で書き負けない、予備試験・司法試験で合格レベルの答案を書くために必要かつ十分な内容となっております。
とりわけ、近年の予備試験、司法試験では基本的な知識を基礎にした、事案に対する思考力を問われています。
このような試験傾向の中で、合格者と不合格者で差がつく部分は「基本的な知識」よりも「事案に対する思考力」です。それにも関わらず、「事案に対する思考力」を直接的に受験生に教える講座がないため、受験生は「基本的な知識」の習得に時間をかけすぎてしまい、結果として合格という目標を達成できないという結果になることもあります。
「このような現状をどうにかしたい」と考え、私は「これだけ75」を作ろうと考えたのです。
そのため「これだけ75」では、合格のために知っておかなければならないコア知識は、すべて「コア知識編」に盛り込んでおります。上記のような「これだけ75」のコンセプトに基づき、合格に必要な範囲だけに絞り込んでおります。
予備試験も司法試験も、合格を確実にするために必要なのは知識だけではありません。試験本番の現場で使える「事案に対する思考力」と、その思考を採点者に伝える「表現力」です。これまでの予備校の講義では、これらの能力をゼミや個別指導で養っていましたが、オンラインでの提供はどうしても難しいところがあったように感じます。だからこそ「これだけ75」では、知識を必要かつ十分な範囲に絞りつつ、それ以外の時間を「事案に対する思考力」と「表現力」を養うことに重点を置いているのです。
具体的には「事案に対する思考力」を養うためには、論証や規範の意味を理解した上で暗記することが必要不可欠です。そのため「これだけ75」では、単に論証や規範を丸暗記するのではなく、理解を先行して学習を進めていただくことを意識した内容となっております。
また「表現力」を養うために、レジュメに豊富なあてはめ例を掲載することで、実際の答案での言い回しやキーフレーズを自然と習得することができます。
このように、近年の予備試験・司法試験に合格するためには、過度に細かい知識をインプットし、使いこなせない知識を増やすことは重要ではありません。知識については、多くの受験生が知っているであろうコア知識だけを確実に自分のものにし、これを使いこなし、現場で思考・表現することこそが大切なのです。
「これだけ75」は、以上のコンセプトに基づき作成させたものですから、当初のご案内よりも講義時間が短いことだけをもって、講義の品質が下がるということはありません。私の社会人経験の少なさゆえの見積もりの甘さは、大変反省しております。今後、こうしたことがないよう再発防止に努めてまいります。
しかし、それでも私は、理想とする講義を作ることができたと自負しております。この講義がみなさまのお役に立てることができれば幸いです。
2024年8月 剛力 大