学生の甲と乙が深夜繁華街を歩いていたところ、一見してやくざ風のAが、甲に因縁をつけ、甲の胸ぐらをつかんで付近の路地に引っ張り込み、ナイフを甲に突き付けた。甲と乙は、身の危険を感じ、こもごもAの顔面を殴って路上に転倒させ、ナイフを奪い、これを遠くに投げ捨てた。甲はその場から逃げようとしたが、乙は、Aが転倒したまま「待ちやがれ。」と怒鳴って右手で上着のポケットを探っているのを見て、Aがまた刃物を取り出そうとしているものと勘違いし、Aの腹部を数回力まかせに蹴りつけた。その間、甲は、乙の制止することなく、黙って見ていた。Aは、乙の暴行により、すい臓破裂の傷害を負って死亡した。
甲及び乙の罪責を論ぜよ。