A市の市民であるBは,A市立図書館で雑誌を借り出そうとした。ところが,図書館長Cは,「閲覧用の雑誌,新聞等の定期刊行物について,少年法第61条に違反すると判断したとき,図書館長は,閲覧禁止にすることができる。」と定めるA市の図書館運営規則に基づき,同雑誌の閲覧を認めなかった。これに対し,Bは,その措置が憲法に違反するとして提訴した。
この事例に含まれる憲法上の問題点について論ぜよ。
本問は,市民が,公立図書館において,その所蔵する雑誌を閲覧する権利は,憲法上保障されているか,保障されるとして,それを憲法上どのように位置付けるか,また,その市民の権利を制約することが正当化される事情はどのようなものかを問うとともに,設例の状況において,具体的にどのような方法によって解決が図られるべきかを問うものである。