平成15年旧司法試験民法第1問

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不当利得 - 個別的な問題

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 酒屋を営むAは,飼育している大型犬の運動を店員Bに命じた。Bが運動のために犬を連れて路上を歩いていたところ,自転車で走行していたCが運転を誤って自転車を犬に追突させ,驚いた犬はBを振り切って暴走した。反対方向から歩いてきた右足に障害のあるDは,犬と接触しなかったものの,暴走する犬を避けようとして足の障害のために身体の安定を失って転倒し,重傷を負った。

 DがA,B及びCに対して損害賠償を請求できるかについて,それぞれに対する請求の根拠と,A,B及びCの考えられる反論を挙げ,自己の見解を論ぜよ。

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 動物占有者責任(民法第718条)の成立とその責任者である占有者の意義及び損害の発生に加功した者の責任の在り方を問うとともに,被害者にも損害の発生ないし拡大に係る要因がある場合における法的評価を問う問題である。複数の責任者が存在するときの責任関係を整理・分析し,事案を全体的に眺めて公平な結論を導く能力があるかをみた。