平成18年旧司法試験刑事訴訟法第2問

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伝聞証拠 - 伝聞証拠の意義
伝聞例外 - 供述代用書面

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 甲は,交差点において赤色信号を殊更に無視し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転し,通行人を死亡させたとして,危険運転致死罪で起訴された。公判において,検察官は,事故を目撃したAを現場に立ち会わせて実施した実況見分の結果を記載した司法警察員作成の実況見分調書の証拠調べを請求したところ,甲の弁護人は,「不同意」との意見を述べた。

 その実況見分調書には,(1)道路の幅員,信号機の位置等交差点の状況,(2)Aが指示した自動車と被害者の衝突地点,(3)甲の自動車が猛スピードで赤色信号を無視して交差点に進入してきた旨のAの供述,が記載されていた。

 裁判所は,この実況見分調書を証拠として取り調べることができるか。

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 本問は,交通事故事件において証拠上重要な役割を負う実況見分調書を素材として,実況見分における立会人の指示説明の性質とその証拠能力に関する基本的な理解を問うことによって,伝聞証拠に関する刑事訴訟法の基本的な知識の有無と具体的事案に対する応用力を試すものである。