平成21年旧司法試験刑事訴訟法第1問

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その他の捜査手段 - 写真撮影・ビデオ撮影

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 警察官Aは,振り込め詐欺事件に関与した疑いの濃厚な被疑者甲について,銀行の現金自動預払機から現金を引き出す際に防犯ビデオカメラに写っていた犯人との同一性を判断するため,甲宅前路上から,同宅2階の居室を監視し,その窓のカーテンを開けて甲が窓越しに顔を見せた際,所携のビデオカメラで,甲の容ぼうを撮影した。また,警察官Bは,防犯ビデオカメラに写っていた犯人の右手首のあざが甲にあるかを確認するため,甲が入ったレストランに客を装って入店し,かばん内に装備した小型ビデオカメラで,飲食している甲の様子を撮影した。

 警察官A及びBの撮影行為は適法か。

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 本問は,振り込め詐欺事件の犯人特定のために警察官が行ったビデオ撮影の適法性を問うことにより,強制処分法定主義の意義,強制処分と任意処分の区別,ビデオ撮影の法的性質と適法性の判断基準などについて,基本的な知識の有無と具体的な事案に対する応用力を試すものである。