平成22年旧司法試験刑事訴訟法第2問

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伝聞証拠 - 伝聞証拠の意義
伝聞例外 - 供述代用書面

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 警察官は,Aを被害者とする殺人被疑事件につき,捜索差押許可状を得て,被疑者甲の居宅を捜索したところ,「①Aにレンタカーを借りさせる,②Aに睡眠薬を飲ませる,③Aを絞め殺す,④車で死体を運び,Ⅹ橋の下に穴を掘って埋める,⑤明日,決行」と記載された甲の手書きのメモを発見したので,これを差し押さえた。その後の捜査の結果,Ⅹ橋の下の土中からAの絞殺死体が発見され,その死体から睡眠薬の成分が検出された。また,行方不明になる直前にAがレンタカーを借りたことも判明した。

 甲が殺人罪及び死体遺棄罪で起訴された場合,上記メモを証拠として用いることができるか。

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 本問は,殺人,死体遺棄事件の被告人宅で押収された,いわゆる犯行計画メモを題材として,当該メモの証拠としての許容性を問うことにより,伝聞法則の趣旨,伝聞証拠と非伝聞証拠の区別,要証事実の捉え方などについて,基本的知識の有無と具体的事案における応用力を試すものである。