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平成21年旧司法試験民法第1問

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民法 - 民法総則 - 法律行為 - 代理 - 表見代理
民法 - 親族 - 親権

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 18歳のAは,唯一の親権者で画家である父Bに対し,真実はバイクを買うためのお金が欲しかったのに,知人からの借金を返済するためにお金が必要であるとうそをついて,金策の相談をした。この事案について,以下の問いに答えよ。なお,各問いは,独立した問いである。

1 Bは,Aに対し,Aの借金を返済する金銭を得るために,Bが描いた甲絵画を,これまで何度か絵画を買ってもらったことのある旧知の画商Cに売却することを認め,売却についての委任状を作成し,Aに交付した。しかし,その翌日,Bは,気が変わり,Aに対して,「甲絵画を売るのはやめた。委任状は破棄しておくように。」と言った。ところが,その後,Aは,Bに無断で,委任状を提示して,甲絵画をCに50万円で売却した。この場合,Bは,Cから,甲絵画を取り戻すことができるか。

2 Bは,かねてからAがその所有する乙自動車を売却したいと言っていたのを幸いとして,その売却代金を自己の株式購入の資金とするため,Aの代理人として,Dに対し,乙自動車を60万円で売却した。この場合,Aは,Dから乙自動車を取り戻すことができるか。

 また,Bが,以前A名義の不動産を勝手に売却したことがあったことなどから,Aの伯母の申立てにより,家庭裁判所において,乙自動車の売却の1か月前に,親権の喪失の宣告がされ,確定していたのに上記のような売却をしたときはどうか。

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 小問1は,代理人になろうとする未成年者の詐欺により代理権が授与された後に本人から代理権授与が撤回された場合,代理権授与の撤回(解除)と詐欺による代理権授与の取消のそれぞれの場合における表見代理の成否等取引の相手方の保護について検討させ,代理に関する基礎的な理解力と論理的思考力等を問うものである。小問2は,親権者が子に対する法定代理権を濫用した場合の利益相反行為該当性と権限濫用の法理,行為当時法定代理権が消滅していた場合における表見代理の成否等子の保護と取引の相手方の保護とのバランスについて検討させ,代理に関する基礎的な理解力とその応用力等を問うものである。