2016年6月23日 (木)
6月18日に開催されました、「平成28年度新司法試験論文式解析講座」の民法について、久保田先生より補足がございます。ご確認ください。
久保田先生より
時間を意識しすぎて非常に大事なことを言い忘れていたのでここで補足します。もう見てはいないかもしれませんが、解析講義の民法の補足をさせていただきます。
以下、補足部分
設問2(3)で、法的構成として不当利得はないと述べた理由は、講義中にお話した①最後の手段だから、という点もありますが、②主債務の消滅などの「利得」が存在しないため要件を満たさないという点も大きいです。結局、何らかの利得を観念する場合には、求償権の規定を類推するほうがいいですし、そうしないなら不当利得の要件も満たさないという関係にあります。
法的構成としては債務不履行が妥当だと述べましたが、そこでの不履行とは、保証委託契約から生じた説明義務の違反です。保証契約と保証委託契約は別個の契約ですので、保証契約は付従性により不成立だったとしても、保証委託契約は残存します(目的不達成で自動消滅という解釈論もあり得なくはないですが、その点は説明を省略します)。
余談ですが、懇親会で伊藤先生から「不当利得は要件を満たしませんよね」と尋ねられた際に、問題文をど忘れしてしまっていてまともな回答をすることができなかったのが、ここでの補足のきっかけとなっています。みなさん、解析会(懇親会に参加された方は懇親会も。)では長時間お疲れ様でした。みなさんにとって何か得るものがあったのであれば幸いです。
2024年12月21日
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