合格者だって完璧じゃなかった!できる範囲で継続学習する方法を身に付ければ令和4年予備試験には十分間に合う

論文対策はいかに他の受験生と同じことが書けるか否か!

予備試験合格者だって完璧じゃなかった

予備試験に合格する人は優秀な人…知識も網羅していて、ハイレベルな戦いを勝ち抜いた人、なんて思っていませんか?

BEXA講師の剛力先生(平成30年予備試験合格)と大瀧先生(令和元年予備試験合格)によると、実は2人とも合格した試験では何かしらの欠点があったのです。

○剛力先生(平成30年予備試験合格/学部3年生)

論文試験の憲法・民法・商法の論文は捨てていました。
憲法は科目自体の議論が高度すぎるため、答案の型だけ決めて後は自分が演習書で学んだ知識をこねくり回すという方法で対応していましたが、ご多分に漏れずE評価でした。

民法が量が多いから、商法は(多くの論文受験生が共感してくれると思いますが)予備試験論文の中で最も難しい科目ですから、ムリゲーだと考えていました。
民法に関しては短答知識と演習書1冊だけで臨みました。答案の型さえ間違えなければOK。商法に至っては、私の年は難しすぎて問題文の事実を条文に当てはめるだけの答案を提出しました。

ただ、この戦略には理由があって、捨てた科目どれも「受験生が苦手であろう」という科目なのです。
論文試験は短答試験と異なり、教材をどれだけ覚えたかではなく、いかに他の受験生と同じことを書けばよいのかを比較される試験です。
ですので、多くの受験生が苦手意識を持つ科目はある意味捨てて(まったくノー勉というわけではないですよ)、それ以外の科目で勝負するということを決めていました。

また、論文知識は短答知識と被る部分が多いので、短答対策は2月までやらず、2月になってから短答過去問集だけを学習する方法にシフトしました。はじめからガチガチに知識のインプットを学習した経験は多くありません。

○大瀧先生(令和元年予備試験合格/学部4年生)

9月末の夏休みまで私はドラクエをやっていました(笑)。10月頃になって本格的に勉強を再開しましたが、意識したことは「みんなが答えられることを書けるようにする」ということでした。そのため、基本論点が網羅されている演習教材を利用して、それだけを完璧にこなせるような学習をしていました。

短答も短答過去問集と判例六法のみで、間違えたところや重要と考える部分を判例六法に書き込むという勉強をしていました。

論文対策はいかに他の受験生と同じ答案が書けるようになるか

予備試験、特に論文試験の正しい見方は「いかにインプット教材を網羅させたか」ということではなく、「いかに他の受験生と同じ答案を書けるか」にかかってきます。
インプットだけを先に先行させてしまうと「その教材を終わらせること」が主目的になってしまい、比較対象がその教材の網羅性になってしまいます。また、難しい議論が書かれていると「これが答えられるようになったら点数が跳ねるな」と不要な勉強をしてしまいがちです。

しかし、論文試験は相対評価です。あなたが書いた答案は他の受験生と比較されて点数が付きます。100満点中あなたの答案が30点だとしても、他の受験生が25点であれば相対的に評価が上がるのです。
そうすると重要なことは、常に「他の受験生だったらこれくらいは書けるか」という、自分対他の受験生を意識して学習することなのです。

2人の合格者は、インプットの網羅性・完全性という点でいえば、不完全だったと言わざるを得ないでしょう。

しかし、それでも彼らは合格しているのです。
それはなぜか、それは彼らが向き合っていたのは教材ではなく「他の受験生」と「自分」の距離感だったからです。

不完全でも令和4年の論文試験は間に合う!

令和3年の予備試験短答試験が終わって3ヶ月が経ちました。
夏になったら本気出す、お盆終わったら本気出す…と、まだ重い腰を上げられていないあなた。

完璧さを捨てて、自分のできる範囲を広げる勉強をしませんか?

たしかに予備試験合格、特に論文試験を突破することは狭き門を潜り抜けることです。狭き門であるというイメージから、合格の理想は高く、合格する人は知識を網羅している優秀な人とのイメージを持たれているかもしれません。

しかし、剛力先生の話にもある通り「手を広げすぎない」「常に比較対象を受験生を意識した学習」をすることで十分論文試験に対抗できるのです。
予備試験論文では「この問題は受験生であれば答えられるよね」という問題が10個出たとして、10個すべて書ける受験生なんてごくわずかです。10個出たとして、7~8個書ければ十分合格点を超えることが可能です。

インプット教材の知識にこだわり過ぎて"どうせ終わらないから…"と嘆く前に、そもそもその知識は他の受験生も書けるのかを演習書で試してみましょう。

"これだけはできる"範囲を広げよう

演習メインの学習は最初が肝心です。
最初問題を解き始めると、多くの点で"できない自分"と向き合うことになります。

剛力先生も大瀧先生も最初はできませんでしたが、彼らは、まず"できない自分"を受け入れ、"これだけはできる"範囲を広げる勉強をしているのです。

多くの受験生が書けることを書けるようになるためには、基本問題+過去問の2種類があれば十分でしょう(大瀧先生は問題集+予備試験過去問のみでした)。
各科目1冊の演習書と予備試験の過去問だけであっても、あなたが"これだけはできる"といえれば、多くの受験生が書ける範囲の大部分はカバーされていることになります。
あとは演習書からインプット教材に派生知識を確認しに行く程度に留めましょう。

答案付きの演習書を使えば、型の抽出+知識のインプット両方が同時にできる

剛力先生によれば、答案の型を先に身に付けた方が良い理由が2つあります。
1つは、知識をインプットしたとしてもその知識を答案に落とし込む作業が他に必要になり二度手間であること。
もう1つは、答案の型を身に付けるための演習の過程で重要な知識はインプットできてしまうこと。

インプットを先行して学習していると「いつかは書き始める」と考えてしまいがちですが、「いつか書く」とインプットと区別して考えること自体、非効率的なのです。令和4年の予備試験の合格を目標にするのであれば、やはり論文対策がメインになります。だとしたら、「いつか書く」ではなく「今から書かないと」間に合わない可能性が高いです。

また、これは当然ですが、答案は法律知識を使って書くわけです。ということは知らない知識であっても答案の型を学ぶ過程で自然と使わざるを得ない状況に持ち込むことが可能です。

答案の型の抽出方法

①再現答案の付いている問題を解く(過去問であれば現実解・基本問題であれば参考解でも可)
②答案の型がわからないのであれば参考答案を読むことからはじめる
③参考答案を読んだら閉じる
④もう一度一行目から真似てみる
⑤途中で忘れたら再度参考答案を読む
⑥忘れた部分から書き始める
⑦①~⑥を繰り返す

写経と似ていますが、直近の答案を"思い出す"という行為が答案のイメージを形作る第一歩です。繰り返し行うことで、合格答案の共通項を抽出することが可能です。

BEXAの基礎講座は演習メインの基礎講座

○問題演習の中で70%の知識が網羅されている「4S基礎講座」

BEXAの中村充先生『4S基礎講座』は独自の4Sメソッドで問題演習をメインに据えている基礎講座です。
演習の過程で合格に必要な知識の約70%が網羅されるようにカリキュラム構成されています。

○基本問題283問+予備試験過去問70問で演習も可能な「司法試験道場」

吉野勲先生『司法試験道場』は、短文事例問題が283問、予備試験過去問が70問と合計353問の演習問題をすべて吉野先生が解説しています。全問答案例付き!
これらの問題演習⇒インプット講座で関連知識・派生知識がカバーできれば、「他の受験生が書くこと」を意識した学習も十分可能です。

2021年8月29日  

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